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佐賀大学農学部 生物科学コース

〒847-0021 佐賀県唐津市松南町152-1
yumatsu@cc.saga-u.ac.jp

COMPANY

当研究室では、機能性食品・化粧品開発をキーワードに、機能性植物素材の生産から商品の開発に向け、地域・企業と連携し産地や企業で出てきた課題を解決しています。
そのため、食品・美容・農業に関わる幅広い応用型のテーマに取り組んでいます。
研究成果については社会・消費者に還元するため、様々な普及・広報活動も行っています。

原料植物の高品質化・安定化

機能性食品・化粧品の原料としては、成分含量が高いことが重要です。またキクイモについては生鮮や乾燥粉末など非加熱で摂取することがあるため衛生状態も重要になります。
そこで、成分含量の向上や食品微生物などに関する研究を行い、課題の解決を図っています。
成分含量・耐病性に優れる新品種を開発【遺伝資源・交雑育種・生殖隔離】
成分や耐病性など、消費者・生産者に求められる優れた品種を開発します。
野生遺伝資源の特徴的な形質に注目し、遺伝子・ゲノム情報や、組織培養などのバイオ技術を活用しながら、画期的な品種を目指しています。

最近では、キクイモ「サンフラワーポテト」がデビュー!
注目の機能性素材としてテレビ、新聞、雑誌などで取り上げられ、全国に広がっています。
Web記事
このほか、イチゴやメロンなどの品種も開発。

現在も、「薬用成分の高い甘草」や「野生種との雑種メロン」など新たな品種開発を進めています。
 
 
より安心して食べられるよう衛生状態を向上【食品微生物・遺伝子解析・殺菌】
生鮮野菜には土壌などに由来する様々な微生物が付着し、種類によっては食中毒に繋がる恐れがあり、特に非加熱で食する場合はそのリスクが高くなります。
キクイモにおいては、産地や貯蔵条件によりどのような微生物がどれだけ付着しているのかについて微生物のゲノム情報を基に解析するとともに、様々な殺菌操作によりどれだけ効果があるのか、機能性成分や味などに影響はないのかなどを調査しています。
より安全・安心な原料として様々な用途に利用できるよう研究を進めています。

加工・貯蔵による美容・健康成分への影響を解明

良い原料ができても、実際に消費する際に品質が低下していては意味がありません。
食品加工の過程では熱や酸など様々な影響を受けます。また、原料により条件も異なります。
研究室では食品メーカー等と連携しながら、実際の商品を念頭に成分や味・食感を求めた最適な加工・貯蔵条件を探っています。
美味しくて健康効果の高いキクイモ食品を開発【機能性成分・加工・貯蔵】
高い機能性を持つキクイモ原料を食品として利用する方法を考えます。
生鮮の状態でどうすれば高品質のまま長持ちさせられるか、味や機能の影響はどの程度か、加工した場合はどうなるかなどについて調査を行っているほか、加工食品にした場合の特性についても調査を行います。
キクイモ加工品の定番は、塊茎を焙煎した「お茶」。
ただ、お茶の場合はティーバッグを食べるのではなく、液体を飲みます。
そうすると、液体に成分が浸み出ていることが必要です。
さらに、味も良くないと消費が進みません。
そこで、お湯出し・水出し・温度・時間など、どのような条件で成分や味が高まるのか?焙煎で成分が変ったりしない?粒の大きさは?
具体的にどんな成分・機能がある?
など、健康・消費を考えてより適切な条件を解明していきます。
味を調べる際には、味を数値で表せる味覚センサーを使用して科学的・客観的なデータとして分析を行います。

キクイモを粉砕したパウダーも重要な原料です。食パンや麺への加工により手軽に消費できるようになりますが、加工による味や成分、機能への影響が懸念されます。一方で、日持ち性の向上など新たなメリットも見られます。さらに焙煎による成分の変性や機能の変化などにも注目しています。このような課題の解決や特性の把握を基に新たな商品の開発に繋げていきます。

 

健康イメージのあるキクイモを化粧品素材としても利用【美容機能・抗菌】
キクイモは草丈が高く花もたくさん咲くことから、葉や花も多量に利用できます。
キクイモの葉や花にはイモよりも多くのポリフェノールが含まれ、様々な美容効果も期待されています。
さらに、カビ菌などに対する抗菌作用も有しており、天然の防腐剤としての利用も期待されています。

これらの素材について、美白・抗酸化・抗炎症作用などの美容機能や大腸菌、カビ、その他バクテリアなどの微生物に対する抗菌作用など様々な観点から評価を行い、キクイモの有する特性や機能の向上などに繋げることで、実際の商品に応用していきます。

 

この他、マメ科・ウリ科・キク科野菜を中心に様々な機能について研究を行っています。
また、イチゴの新たな栽培技術や、無農薬での病害防除技術の確立なども行っています。

地域と連携した園芸産地の活性化

研究室のある唐津市や佐賀県と連携し、地域の園芸産地の抱える課題の解決に向けた研究を行っています。
唐津市を青パパイヤ産地に!生産・加工から商品開発【酵素活性・肉加工】
唐津市は中山間地帯でも栽培できる新たな特産品として青パパイヤに着目し、生産面積の拡大を図っています。
青パパイヤには、パパインというタンパク質分解酵素が含まれ、さらにポリフェノールなどの機能も期待されています。健康食材や化粧品素材としての活用が見込まれていますが、マイナー作物なため成分・機能を意識した栽培法や加工法についてはまだまだ不明な点があります。
研究室では、唐津市内の生産者や市・県等と連携して、栽培技術の確立や各種機能の分析を行っています。
また、タンパク質分解酵素の働きを活かして、唐津市の特産品である佐賀牛やイカの加工品への適正、イノシシなどのジビエ肉への応用など、実用化に向けた研究も行っています。

県のイチゴ新品種「いちごさん」の早期出荷で収益向上【果実収量・品質】
イチゴの市場価格はクリスマスや正月などに向けた11月〜12月が高いため、収益を向上させるためにはこの時期の出荷が重要です。佐賀県のイチゴ新品種「佐賀i9号(いちごさん)」は従来の「さがほのか」よりも収穫開始が遅いため、収穫時期の早期化が課題となっています。
研究室では、イチゴの花芽の分化のポイントとなる育苗期に苗を一時的に冷蔵庫に移す間欠冷蔵処理を行うことで「いちごさん」の収穫早期化が可能か研究を進めています。

既存の保冷庫を用いるため導入コストもかからないことから、実用的な技術として県や産地とも連携しながら技術の確立や普及も図っていきます。
早期「いちごさん」の味や成分などの特性も把握し、クリスマス需要に向けたアピール材料も作っていきます。

研究成果を地域・社会に還元

研究成果は学会や論文で発表を行いますが、地域・社会に還元することも重要です。
特に当研究室では社会に直結する研究内容が多く、その意義は一層高いです。
このため、学内での見学会や産地での講習会、東京ビッグサイトでの展示会など様々な場所で社会への還元を進めています。
学生も自ら出した成果を企業に説明・応対するなど、就活前の社会経験の場にもなっています。


バナースペース







〒847-0021
佐賀県唐津市松南町152-1
佐賀大学農学部附属
アグリ創生教育研究センター
唐津機能性資源研究拠点内
アクセス

メールyumatsu@cc.saga-u.ac.jp

(直通電話がございませんのでメールでお願いいたします。)